小学館イマージュ
横山大観「霊峰四趣 春」
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駘蕩たる春霞につつまれ、はるかに聳える霊峰富士。
昭和15年、横山大観は、「海に因む十題」、「山に因む十題」を発表した。大正12年の「生々流転」が壮年期の代表作とすると、この諸作は、老年期の「生々流転」版とも評価されうる名作であり、本作は、その連作中の一点である。
「霊峰四趣・春」に眼を向けてみよう。仰ぐ純白の富士は、ゆったりとした山容を見せ、それに山桜の雪白の花弁と丁子茶色の葉、赤松の松葉の緑青の色彩がハーモニーを奏でている。この色彩美の世界は、大和絵的といえるであろう。(中略)
霊峰とは、山岳に神霊を看取することであり、山に畏怖心を抱くことである。中国・漢時代の神仙思想に根源を持つが、日本においては富士がふさわしい。また、不二(ふじ)、不尽(ふじ)に通じることから吉祥の山でもある。
富士の中腹や、山桜、赤松の林間に漾(ただよ)う春霞は金泥で描かれ、春風駘蕩の雰囲気とともに春の華やかさをも醸し出しているのは、見事というしかない。
(美術評論家・泉屋博古館分館長 川口直宜/本品解説書より抜粋)
【大観の気概が漲(みなぎ)る珠玉の名品がいまここに。】
「富士といえば大観」と称されるように、89年に及ぶ生涯をかけて数多くの富士を描きだした大観。その円熟期には彩管報国(さいかんほうこく/絵を描いて国に報いること)の想いをこめて「海」と「山」をテーマに、四季折々の壮大な日本の美を20点の連作として発表した。その中でも本作は、華やかでありながら格式のある富士の名作として知られる。
春霞の中に泰然と聳える吉祥の象徴、霊峰富士。そして、その麓には咲き誇る山桜と、大観が得意とした松が、まるで富士を仰ぎ見るように配され、画面全体で日本の春を謳いあげている。描線を用いず、色調の変化と緻密な構図で対象をやわらかに描き出す手法は、まさに大観の真骨頂といえる。
この名作中の名作「霊峰四趣 春」が、長年の時を越えて、ここによみがえった。春のおだやかな雰囲気を添える美術品として、また、ご家庭に繁栄と幸福をもたらす吉祥画としてご愛蔵いただきたい。
【最高度の復刻技法と原画との色校正により気高く荘厳な「大観の富士」を完全再現。】
本作品の制作には、最先端のデジタル技術を駆使している。長年の経験をもつ技術者が何度も色の補正を繰り返し、原画の色彩はもとより、作品から放たれる大観の気魄(きはく)までをも感じることができる名品が創りあげられた。
また、原画との厳密な色校正を行うことにより、その完成度はよりいっそう高まっている。これまでの複製画とは一線を画する再現性をご堪能いただきたい。
【横山家の許可と監修を受けた稀少の逸品。】
本作品は、大観の孫であり、横山大観記念館の理事長を務める横山隆氏の厳密な監修と正式な許可を受けて復刻された。作品1点1点には、これを証する横山家の検印が付される。まさに、横山家のお墨付きを得た逸品だ。また、280部に限り制作される価値の高い美術品であることを証する限定番号入りの証明書も添えられる(額装は額裏に、軸装は桐箱の蓋裏に貼付)。
【横山大観・よこやまたいかん(1868年~1958年)】
1868年、茨城県水戸市に生まれる。橋本雅邦(はしもとがほう)に日本画を学び、岡倉天心(おかくらてんしん)が掲げた世界に誇れる「日本の絵画」の確立という理想に共感し、下村観山(しもむらかんざん)、菱田春草(ひしだしゅんそう)とともにその実現に向けて邁進。明治、大正、昭和と長きにわたり、常に新たな画境を追い求めた。1937年には第一回文化勲章受章の栄誉に輝き、日本画家として不動の名声を得る。2018年、生誕150周年を迎え、改めて注目を集めている。