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一生モノ語り 大人の逸品

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日本コロムビア

歌いながら歩いてきた─歌謡曲から童話、CMソング、合唱曲、番組まで 2019年秋号掲載

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作詞生活60周年記念『五木寛之作品集』

五木寛之特別インタビュー溢れ話
作詞家・五木寛之のスタートはどこだったのか。これまでの音楽活動を振り返ってもらった。

 五木寛之さんは、さまざまな側面を持つ多才な「作家」である。特に、歌謡曲を中心とする作詞の分野で、大きな足跡を残してきた。そんな五木さんの「音楽の仕事」の集大成ともいえるCD+DVDのボックスセット『歌いながら歩いてきた』が発売された。

――CMソングから歌謡曲、演歌、フォークソングまで幅広く手がけておられます。

「知人から『五木さんの気に入った曲を集めたんですか』っていわれますが『いいえ、これは全部私の作品なんですよ』というと驚かれます(笑)」

――若いころから作詞家を目指していたのですか。

「大学を中退してから、ラジオの構成作家をやっていました。NHKでは『夜のステレオ』(1961~1965年)という番組を担当していまして、番組内で流される『今月の歌』を毎月作詞していました。毎月新作を録音していたのですから贅沢でしたね。でも、それらは残っていないのです」

――CMソングはいつごろから手がけていたのですか?

「ラジオと同時期にやっていました。制約のあるCMソングを作りながらラジオで好きな歌を書く、そんな日々でした」

――その後、レコード会社の専属になり、本格的に作詞家への道を歩み始めます。

「レコード会社の学芸課に所属して、当初は、童謡や合唱曲などを作っていたのですが、次第に普通の歌の作詞もするようになったのです。当時の先輩や仲間に星野哲郎さん、中山大三郎さん、吉岡治さんなどがいました」

情念の歌「怨歌」が流行る

――演歌を「艶歌」「怨歌」と、最初に呼んだのは五木さんでした。小説で『艶歌』(1966年)という作品もお書きになっています。

「『演歌』というのは、明治時代の自由民権運動で政治主張をする演説の歌のことでした。今の演歌とはまったく違う。対して『艶歌』は、そのまま艶やかな歌という意味です。さらに情念の歌を『怨歌』と呼んだ」

――「怨歌」というと藤圭子さんを思い出します。

「モデルは藤圭子かとよくきかれるのですが、彼女の登場は『艶歌』の発表後の1969年でした。しかし、藤圭子はまさしく『怨歌』でしたね。
 当時は、学生が任侠映画や藤圭子などを好んでいましたね。『怨歌』は反体制的な時代風潮を反映していたのです」

――’60年代の後半には、フォークソングの詞を提供されています。

「『青年は荒野をめざす』ですね。同名の作品を1967年に発表すると、小説を歌にしたいという依頼があったのです。1968年『ザ・フォーク・クルセダーズ』の最後のシングルになりました。この歌は2006年に『オリジナル・ラヴ』がカバー、こちらの軽いアレンジも好きですね。ボックスセットには両方入っていますので、ぜひ聴き比べてください」

――「織江の唄」(1979年、1981年)も2曲入っています。

「『織江の唄』は、山崎ハコさんが有名ですが、その前に臼井正史さんが作曲したバージョンがあるんです。講談社の雑誌で私の詞にプロ・アマ問わない普く人が曲を付ける企画をやっていたんですよ。そこで入選したのが臼井正史さん作曲の『織江の唄』でした」

前衛的なテレビ番組に出演

――映像も収録されています。

「TBSから飛び出した連中が『テレビマンユニオン』という制作会社を作り『遠くへ行きたい』という番組が生まれました。その出演作がDVDに2本入っています。ほかにTBSラジオで25年間続いた『五木寛之の夜』のオープニング・トークとテーマ曲も収録しました。

――作詞家としても現役です。

「ボックスには新しい歌も入っていますよ。立原岬の筆名で僕が作曲もしてミッツ・マングローブさんが歌った『東京タワー』(2018年)などは、最近の作詞です」

――令和の世になっても、五木さんの歌は引き継がれていきます。

「昭和・平成の歌謡曲全般をね、もう少しちゃんと編纂しなきゃいけないと思います。
 令和で話題になった万葉集のように、歌謡曲の『昭和・平成万葉集』を誰かに作ってもらいたいですね」
セットの内容はCD4枚(総収録時間292分)とDVD1枚(計約50分)に加え、すべての楽曲の歌詞と解説、エッセイや対談などを収録した読み応えある冊子が2冊付く。

『歌いながら歩いてきた』収録内容

【DISC①(CD)】
ザ・フォーク・クルセダーズ「青年は荒野をめざす」/藤野ひろ子「鳩のいない村」/冠二郎「旅の終りに」/松坂慶子「愛の水中花」/内山田洋とクール・ファイブ「二人の海峡」/原涼子「風花のひと」/八代亜紀「あなたに逢いたい」/岸田今日子「四季・奈津子」/内藤やす子「鳳仙情歌」/松坂慶子「夜明けのタンゴ」/鳳蘭「白夜わが愛」/鳳蘭「さまよい人の詩」/小島武夫「おれはしみじみ馬鹿だった」/小島武夫「やせがまん」/ソフィア「ソフィアの子守唄」/岩崎宏美「鳥の歌」/かいやま由起「哀しみのワルツ」/月田秀子「汽車は八時に出る」/ハイ・ファイ・セット「燃える秋」

【DISC②(CD)】
山崎ハコ「織江の唄」/旅びと「思い出の映画館」/旅びと「おしえておくれ」/八角朋子「織江の唄」/ミルバ「二丁目の子守唄」/麻倉未稀「INDIAN SUMMER」/松原健之「思い出の街」/八代亜紀「たそがれの歩道橋」/渡哲也「海を見ていたジョニー」/石黒ケイ「ひとり暮しのワルツ」/鈴木重子「大河の一滴(ア・ドロップ・オブ・ウォーター)」/松原健之「愛のうた」/前川清「愛をもう一度」/田川寿美「女人高野」/石川セリ「燃える秋」/ミッツ・マングローブ with 星屑スキャット「かえしてYOKOHAMA」/オリジナル・ラヴ「青年は荒野をめざす」/藤圭子「旅の終りに」

【DISC③(CD)】
石川さゆり「星の旅びと」/倍賞千恵子「冬の旅」/五木ひろし「ふりむけば日本海」/田川寿美「内灘哀歌」/尾崎紀世彦「内灘愁歌」/渡辺えり「風が吹いてきたら」/ミッツ・マングローブ「東京タワー」/堀内孝雄「だけどYOKOHAMA」/桑名正博「もし翼があったなら」/うないぐみ「島に吹く風~二見情歌~」/松原健之「Elegy こころの道」/山崎ハコ「こころの花」/森進一「こころの雫」/五木ひろし「あなたに」/藤田まこと「夜のララバイ」/ペギー葉山「夜明けのメロディー」

【DISC④(CD)のぶ ひろしワークス】
服部俊博「海底大戦争」/若山彰「弾丸列車」/クラウン幼児合唱団「こぎつねさん」/河村順子「雪がとけたら」/浅野順子「こころの瞳」/北原謙二「星をさがそう」/天地総子「日石灯油だもんネ」/混声合唱団「チャンピオン 日石」/「PAN モーターオイル」/「はりきる 日石サービスマン」/「ひとつの太陽」/リリオ・リズム・エアーズ「長谷川工務店」/ペギー葉山「サカリちゃんの歌」/ボニージャックス「神戸製鋼の唄」/眞理ヨシコ、ボーカル・ショップ「花王石鹸の唄」/岡村喬生、ボーカル・ショップ「山崎鉄工の唄」/「国産品で行こう」/安田祥子「指さすのはおよし」/安田章子「夜の一時」/安田章子「わたしはジュニア」/安田章子「秋のバラード」/ラジオ番組「五木寛之の夜」オープニングトーク/五木寛之ナレーション/石黒ケイ「土曜日の夜の九時」/五木寛之ナレーション/「哀しみのフローレンス」(インストルメンタル)

【DISC⑤(DVD)テレビ番組「遠くへ行きたい」】
「五木寛之のゴキブリ香春岳へ行く─筑豊─」(1971年5月2日放送)/「五木寛之の風に吹かれて“風の盆”─越中・八尾─」(1971年9月26日放送)

溢れ話 五木寛之特別インタビュー 作詞生活60周年記念『五木寛之作品集』 溢れ話 五木寛之特別インタビュー 作詞生活60周年記念『五木寛之作品集』

いつき・ひろゆき 昭和41年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞を受賞。のぶ ひろし、立原岬の筆名も。 いつき・ひろゆき 昭和41年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞を受賞。のぶ ひろし、立原岬の筆名も。

作詞家・五木寛之のスタートはどこだったのか。
これまでの音楽活動を振り返ってもらった。

いつき・ひろゆき
昭和41年『蒼ざめた馬を見よ』で第56回直木賞を受賞。
のぶ ひろし、立原岬の筆名も。

五木寛之さんは、さまざまな側面を持つ多才な「作家」である。特に、歌謡曲を中心とする作詞の分野で、大きな足跡を残してきた。そんな五木さんの「音楽の仕事」の集大成ともいえるCD+DVDのボックスセット『歌いながら歩いてきた』が発売された。

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    CMソングから歌謡曲、演歌、フォークソングまで幅広く手がけておられます。

  • 五木さん

    知人から『五木さんの気に入った曲を集めたんですか』っていわれますが『いいえ、これは全部私の作品なんですよ』というと驚かれます(笑)。

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    若いころから作詞家を目指していたのですか。

  • 五木さん

    大学を中退してから、ラジオの構成作家をやっていました。NHKでは『夜のステレオ』 (1961〜1965年)という番組を担当していまして、番組内で流される『今月の歌』を毎月作詞していました。毎月新作を録音していたのですから贅沢でしたね。でも、それらは残っていないのです。

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    CMソングはいつごろから手がけていたのですか?

  • 五木さん

    ラジオと同時期にやっていました。制約のあるCMソングを作りながらラジオで好きな歌を書く、そんな日々でした。

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    その後、レコード会社の専属になり、本格的に作詞家への道を歩み始めます。

  • 五木さん

    レコード会社の学芸課に所属して、当初は、童謡や合唱曲などを作っていたのですが、次第に普通の歌の作詞もするようになったのです。当時の先輩や仲間に星野哲郎さん、中山大三郎さん、吉岡治さんなどがいました。

情念の歌「怨歌」が流行る

  • ?

    演歌を「艶歌」 「怨歌」と、最初に呼んだのは五木さんでした。小説で『艶歌』 (1966年)という作品もお書きになっています。

  • 五木さん

    『演歌』というのは、明治時代の自由民権運動で政治主張をする演説の歌のことでした。今の演歌とはまったく違う。対して 『艶歌』は、そのまま艶やかな歌という意味です。さらに情念の歌を 『怨歌』と呼んだ。

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    「怨歌」というと藤圭子さんを思い出します。

  • 五木さん

    モデルは藤圭子かとよくきかれるのですが、 彼女の登場は『艶歌』の発表後の1969年でした。しかし、藤圭子はまさしく『怨歌』でしたね。
    当時は、学生が任侠映画や藤圭子などを好んでいましたね。 『怨歌』は反体制的な時代風潮を反映していたのです。

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    ’60年代の後半には、フォークソングの詞を提供されています。

  • 五木さん

    『青年は荒野をめざす』ですね。同名の作品を1967年に発表すると、小説を歌にしたいという依頼があったのです。1968年『ザ・フォーク・クルセダーズ』の最後のシングルになりました。この歌は2006年に『オリジナル・ラヴ』がカバー、こちらの軽いアレンジも好きですね。ボックスセットには両方入っていますので、ぜひ聴き比べてください。

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    「織江の唄」 (1979年、1981年)も2曲入っています。

  • 五木さん

    『織江の唄』は、山崎ハコさんが有名ですが、その前に臼井正史さんが作曲したバージョンがあるんです。講談社の雑誌で私の詞にプロ・アマ問わない普く人が曲を付ける企画をやっていたんですよ。そこで入選したのが臼井正史さん作曲の『織江の唄』でした。

  • 作品の着想を得るために、世界各地を旅してきた。 作品の着想を得るために、世界各地を旅してきた。

    作品の着想を得るために、世界各地を旅してきた。

  • 『21世紀 仏教への旅』の取材中。インドにて。 『21世紀 仏教への旅』の取材中。インドにて。

    『21世紀 仏教への旅』の取材中。インドにて。

前衛的なテレビ番組に出演

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    映像も収録されています。

  • 五木さん

    TBSから飛び出した連中が『テレビマンユニオン』という制作会社を作り『遠くへ行きたい』という番組が生まれました。その出演作がDVDに2本入っています。ほかにTBSラジオで25年間続いた『五木寛之の夜』のオープニング・トークとテーマ曲も収録しました。

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    作詞家としても現役です。

  • 五木さん

    ボックスには新しい歌も入っていますよ。立原岬の筆名で僕が作曲もしてミッツ・マングローブさんが歌った『東京タワー』 (2018年)などは、 最近の作詞です。

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    令和の世になっても、五木さんの歌は引き継がれていきます。

  • 五木さん

    昭和・平成の歌謡曲全般をね、もう少しちゃんと編纂しなきゃいけないと思います。
    令和で話題になった万葉集のように、歌謡曲の『昭和・平成万葉集』を誰かに作ってもらいたいですね。

『歌いながら歩いてきた』 収録内容 『歌いながら歩いてきた』 収録内容

DISC ①(CD)

ザ・フォーク・クルセダーズ「青年は荒野をめざす」/藤野ひろ子「鳩のいない村」/冠 二郎「旅の終りに」/松坂慶子「愛の水中花」/内山田洋とクール・ファイブ「二人の海峡」/原涼子「風花のひと」/八代亜紀「あなたに逢いたい」/岸田今日子「四季・奈津子」/内藤やす子「鳳仙情歌」/松坂慶子「夜明けのタンゴ」/鳳蘭「白夜わが愛」/鳳蘭「さまよい人の詩」/小島武夫「おれはしみじみ馬鹿だった」/小島武夫「やせがまん」/ソフィア「ソフィアの子守唄」/岩崎宏美「鳥の歌」/かいやま由起「哀しみのワルツ」/月田秀子「汽車は八時に出る」/ハイ・ファイ・セット「燃える秋」

DISC ②(CD)

山崎ハコ「織江の唄」/旅びと「思い出の映画館」/旅びと「おしえておくれ」/八角朋子「織江の唄」/ミルバ「 二 丁 目 の 子 守 唄 」 / 麻 倉 未 稀「INDIANSUMMER」/松原健之「思い出の街」/八代亜紀「たそがれの歩道橋」/渡哲也「海を見ていたジョニー」/石黒ケイ「ひとり暮しのワルツ」 /鈴木重子「大河の一滴(ア・ドロップ・オブ・ウォーター) 」/松原健之「愛のうた」/前川清「愛をもう一度」/田川寿美「女人高野」/石川セリ「燃える秋」/ミッツ・マングローブ with 星屑スキャット「かえして YOKOHAMA」/オリジナル・ラヴ「青年は荒野をめざす」/藤圭子「旅の終りに」

DISC ③(CD)

石川さゆり「星の旅びと」/倍賞千恵子「冬の旅」/五木ひろし「ふりむけば日本海」/田川寿美「内灘哀歌」/尾崎紀世彦「内灘愁歌」 /渡辺えり「風が吹いてきたら」/ミッツ・マングローブ「東京タワー」/堀内孝雄「だけどYOKOHAMA」 /桑名正博「もし翼があったなら」/うないぐみ「島に吹く風~二見情歌~」/松原健之「Elegyこころの道」/山崎ハコ「こころの花」/森進一「こころの雫」/五木ひろし「あなたに」/藤田まこと「夜のララバイ」/ペギー葉山「夜明けのメロディー」

DISC ④(CD) のぶ ひろしワークス

服部俊博「海底大戦争」/若山彰「弾丸列車」/クラウン幼児合唱団「こぎつねさん」/河村順子「雪がとけたら」/浅野順子「こころの瞳」/北原謙二「星をさがそう」/天地総子「日石灯油だもんネ」/混声合唱団「チャンピオン 日石」/「PAN モーターオイル」/「はりきる 日石サービスマン」/「ひとつの太陽」/リリオ・リズム・エアーズ「長谷川工務店」/ペギー葉山「サカリちゃんの歌」/ボニージャックス「神戸製鋼の唄」/眞理ヨシコ、ボーカル・ショップ「花王石鹸の唄」/岡村喬生、ボーカル・ショップ「山崎鉄工の唄」/「国産品で行こう」/安田祥子「指さすのはおよし」/安田章子「夜の一時」/安田章子「私はジュニア」/安田章子「秋のバラード」/ラジオ番組「五木寛之の夜」オープニングトーク/五木寛之ナレーション/石黒ケイ「土曜日の夜の九時」/五木寛之ナレーション/「哀しみのフローレンス」 (インストルメンタル)

DISC ⑤(DVD) テレビ番組「遠くへ行きたい

五木寛之のゴキブリ香春岳へ行く─筑豊─」 (1971年5月2日放送)/「五木寛之の風に吹かれて〝風の盆〟─越中・八尾─」(1971年9月26日放送)