丸山革具店

車掌鞄 小学館百貨店最新号掲載

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プロに愛され続ける質実剛健で端正な鞄

要望に応える鞄作りで信頼を築く

 丸山革具店は昭和22年、鹿児島市谷山に誕生した革工房である。創業当初は馬具や馬飾りを製作していたが、都市の近代化とともに馬具の需要が減少し、鞄や袋ものの製造に転向。徐々にその品質の高さが評判を呼び、電力、通信、鉄道、銀行などの業界から鞄の製作の依頼を受けるようになった。以降、電力会社の作業員が使う工具差しや金融マンの渉外鞄など、職種に合わせた使い勝手を追求し、職人が手作りで製作。こだわり抜いた鞄は、その道のプロから半世紀以上支持され続けている。
 ここで紹介する車掌鞄も実際にプロが使用する名品だ。筑豊電気鉄道や広島電鉄、岡山電気軌道、伊予鉄道など、全国の鉄道やバス会社で使われている。
「各電鉄会社の要望に合わせて、大きさや形状、中の仕切りなどを変えています。長く企業向けの鞄を探究してきたので、個人の方に向けて販売するなんて考えたこともありませんでした」と、2代目社長の橋口康隆氏は語る。

販売はお客様の声がきっかけ

 転換点は、広島の百貨店の物産展に出展したときのことだ。トートバッグを売るつもりだったが、お客様に興味を持ってもらうきっかけになればと、広島でなじみ深い黒い車掌鞄を飾っていた。すると、「売ってくれませんか?」「ほかの色では作れませんか?」という声が寄せられた。“欲しい方がいるなら”と販売を始めたところ、全国から注文が相次ぎ、人気商品になった。
 素材は厳選した牛革。2.2mm厚の大きな一枚革を床に広げて裁断し、革を漉いたあと、縫製する。ここで欠かせないのが、旧式の足踏みミシンだ。
「先代から使い続けていて、自分の手足のように思いどおりに動いてくれます。特に、曲線はこれじゃないと上手く縫えないですね」と、橋口氏。
 匠の技で縫い上げたあとは、口金を取り付け、24本の鋲をハンマーで丁寧に叩き込む。こうして一つひとつの工程に手間を惜しまないからこそ、頑丈で使いやすい鞄に仕上がるのだ。
「革は使い込むほどに味わいが増します。長く使って風合いの変化を楽しんでいただきたいです。万が一壊れたとしてもウチでは修理を受け付けていますから、安心して愛用してください」
 鞄の修理は店にとっても非常に役立つという。傷みやすい箇所や壊れやすい部分が把握でき、商品のレベルアップにつながるからだ。
「物作りは気持ちが大切。一生使っていただきたいという想いを込めて鞄を作っています。今後も真摯な姿勢でよりよい鞄を追求し続けたいです」
made in Japan
縦16×横24×マチ幅7cm、530g。ショルダーベルトの長さは72~140cm(取り外し不可)。本体は牛革。ベルトは塩化ビニール。口金は鉄。内部にオープンポケット×2。日本製。
個人の方に販売するという発想など、そもそもなかったです。
JR鹿児島中央駅から路面電車に揺られ約30分。終点・谷山電停近くに本誌ロングセラー『車掌鞄』を作る丸山革具店はある。
工房を訪ねると社長の橋口康隆さん自ら車掌鞄の製作中。「これは長崎電気軌道さんに納める鞄です。『大人の逸品』で売っているものより少し大きく、車内精算機にひっかけるためのフックがついています。『大人の逸品』のものは広島電鉄仕様で、伊予鉄道と岡山電気軌道でも、まったく同じものが現役で使われていますよ」と橋口さん。同じように見えるが、大きさや形状、中の仕切りなどは、各電鉄会社の要望で変えている。「あるとき長野の上田電鉄さんに『なぜわざわざ鹿児島のウチに?』と聞いたことがあるんですが『長崎電気軌道さんから聞きました』とのこと。ありがたいことです」プロ同士ですすめる、本物の証だ。
同社は橋口さんの義父が昭和22年に創業。初めは馬具の修理等を手がけていたが、時代の変化で仕事が激減。帆布の鞄製作でしのぐうち、やがて電力会社から電気工事用の革製の工具挿しを受注。その堅牢さが評判となり、電力、通信、金融などの業界から依頼が相次ぎ、以来プロユースの革用品に特化してきた。電鉄会社もそんな業界のひとつだ。
「もともと、個人の方に販売するという発想もありませんでした」という橋口さん。きっかけは広島のデパートでの物産展だった。帆布バッグを売るつもりで出展したが、試しに車掌鞄を置いてみたらすこぶる反応がよく、「だったら」と一般販売を決めた。
2.2mm厚の大きな一枚革を床に広げて裁断し縫製していく。使うのは旧式の足踏みミシンだ。「義父の代から使い続けているものですが、曲線はこれじゃないと上手く縫えないのです」。口金をとりつけ、鋲をハンマーで叩き込んで留めていくと、車掌鞄を特徴づける無骨で頑健な姿が現れる。
ハードな業務に耐えるよう、とにかく丈夫で長持ちするものをつくってきたという橋口さん。今回新しくこげ茶色の車掌鞄の製作を行なった。無骨な業務用鞄がエレガントな雰囲気に。「なかなかいい雰囲気のものになりました」と橋口さんは得意げに微笑む。

  • 縫製は旧式の足踏みミシン。「手足のように思ったとおり動いてくれますから」。

    縫製は旧式の足踏みミシン。「手足のように思ったとおり動いてくれますから」。

  • 製作中の車掌鞄は長崎電気軌道仕様。電鉄ごとに細部の仕様が異なるのだという。

    製作中の車掌鞄は長崎電気軌道仕様。電鉄ごとに細部の仕様が異なるのだという。

  • 電気工事用の工具挿し。頑丈さが評判で電力会社から注文が続く。

    電気工事用の工具挿し。頑丈さが評判で電力会社から注文が続く。

  • 鹿児島市内を走る路面電車でもかつては同店の車掌鞄が使われていた。

    鹿児島市内を走る路面電車でもかつては同店の車掌鞄が使われていた。

その道のプロに支持され続ける、堅牢無比なる業務鞄

新色のこげ茶は、植物のタンニンのみでなめし、天然オイルを染み込ませた希少なヌメオイル革をベルトにまで惜しげなく使った特製品。底を二重にすることでより丈夫に、カードポケットの追加でより機能的に進化した。

新色のこげ茶は、植物のタンニンのみでなめし、天然オイルを染み込ませた希少なヌメオイル革をベルトにまで惜しげなく使った特製品。底を二重にすることでより丈夫に、カードポケットの追加でより機能的に進化した。

  • 肩からたすきがけにすれば気分は車掌。レトロな雰囲気を演出するアイテムとして日常的に使える。

    肩からたすきがけにすれば気分は車掌。レトロな雰囲気を演出するアイテムとして日常的に使える。

  • 上部中央にある金属製のボタンを押して開閉。手回り品が十分に入り、茶にはカードポケットもつく。

    上部中央にある金属製のボタンを押して開閉。手回り品が十分に入り、茶にはカードポケットもつく。

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