小学館イマージュ
山口蓬春「新冬」
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紅葉の彩りに小鳥の躍動。かすかな冬の訪れの気配。伝統手摺り木版画で鑑賞する蓬春芸術。
洋画と日本画の技法を超えた<新日本画>を提唱し、日本画壇に新風をもたらした文化勲章受章の巨匠、山口蓬春(やまぐちほうしゅん)画伯。その没後25年を記念して、画伯の晩年の傑作「新冬」(しんとう)を、精緻な手摺り伝統木版画で、はじめて限定制作。
紅葉に小鳥を配した花鳥画の伝統美に加えて、洋画的な明快な色彩感覚をみごとに融和させ、鮮やかなまでに蓬春芸術の特質をみせている。
現在、望み得る最高の彫師と摺師の技による木版画の魅力を存分に味わっていただくために、軸装・額装の2種類の仕様を用意。オリジナルの本格表装で、入念に仕立てた優美な軸装、厳選された材質で端正に仕立てあげた額装。
貴方のお好み、用途に合わせて、心ゆくまで楽しんでいただきたい。
【山口蓬春と「新冬」】
昭和二三年の七月の頃だった様に記憶している。何の前触れもなく、だれの紹介もなく、山口先生宅に訪れ面会を申し入れた。今から思へば、若気の至りと思う。
幸い先生にお目にかかり、その門下に入れていただき度い旨をお願い致しましたところ、うちは塾を持たない、従って弟子もとらないと云われました。
一瞬ガッカリ致しましたが、勇気をだして、それでは絵丈でも見ていただけないでせうかと申し上げますと、先生はニッコリと笑って、「ああいいよ絵を見る丈ならいつでもおいで」と云われ、それ以来、実質的には弟子として今日に至っている。
この度、葉山にある山口蓬春記念館収蔵の名品『新冬』が限定木版画として出版される運びとなった。一人でも多くの方々に蓬春芸術の素晴らしさを知っていただく機会と楽しみにしている。
(本品「解説書」より転載)加藤東一(日本画家/文化功労者・故人)
蓬春画伯は、大正15年に帝国美術院賞受賞という栄誉に輝き、華々しく日本画壇に登場。以後、つねに新しい手法を試みてきた画伯の歩みは、後に続く画家の目標となった。特に壮年期から晩年の画業はめざましいものがあり、最も円熟した“蓬春芸術”として数々の代表作を残し、昭和40年には文化勲章を受章。本作品「新冬」は、画伯の清新な作風をあますところなく伝える、晩年の傑作としてよく知られた作品である。
本作品中の小鳥はセキレイ。小林一茶などの俳句にも詠まれ、古くから親しまれた野鳥。そして、セキレイを包みこむかのように周囲に配された、冬間近かのより深みのある紅葉の彩り。蓬春芸術の卓越した色彩の美を鑑賞いただきたい。