小学館イマージュ
川合玉堂「水聲鳥語」
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美しい日本の山河に、移りかわる季節の足音が静かに響く。
【筧出て踊りぬくなり春の水(玉堂『多摩の草屋』三)】
玉堂は俳人でもあり歌人でもあった。その詩情は画想と一体となって、柔和で自然主義的な画境を生んだ。しかしそれは洋画化に出発した線抜きの朦朧体とは対照的で、日本画伝統の主線描法を捨てなかった。(中略)
この作品は手前に小楢(こなら)の若木があり、樹肌を琳派のみみず描きのような線がゆっくり走り、その向こうに山桜が枝を自在に張っている。間に筧が懸りあふれんばかりの水が流れ、水車を回して踊るように放射している。正に「踊りぬくなり春の水」である。(中略)画面左下は虚空の無限空間である。おそらくこれは、筧にとまって鳴く番(つがい)のヒヨドリの共鳴空間で単なる余白ではない。(中略)
玉堂の場合も風景に鳥・人・馬・舟などがきっと登場し、それが更に日本の叙情へと高めている。日本風景画の創製者といえよう。
(美術史家 細野正信/本品解説書より抜粋)
【原寸大で初めて再現された玉堂美術館の傑作。】
筧を走る雪融け水。咲きそめた山桜と春の訪れを告げるヒヨドリ・・・。玉堂が晩年を過ごした御岳渓谷の早春の情景を、しなやかな筆遣いで描いた傑作だ。玉堂美術館に所蔵されるこの門外不出の名作を、原画の趣そのままに鑑賞できる原寸大で復刻した。所蔵館における原画との厳密な色校正を行うことで、色彩や筆致が忠実に再現されている。
【高級感あふれる特注和額に収めた額装と、原本の趣きを生かした高雅な軸装。】
額装は、この作品のために制作された特製和額に収めて届けする。堅牢で収縮の少ない材質を厳選し、さらに格調高い面金加工を施した高級額縁だ。
軸装は、原本の雰囲気そのままに鑑賞できるよう、特製裂地を用い、高雅に仕立てた。書家による題字入りの桐箱つきで、貴重な作品を厳重に保管できるよう配慮している。
【玉堂美術館館長、川合三男氏の監修、ならびに川合家検印と番号入り証書つき。】
玉堂美術館は、1961年、玉堂が愛し、終の棲家であった東京・青梅市の御岳渓谷に開館した。正面玄関を入ると、穏和な玉堂翁の遺影が訪れる人々を出迎える。
本作品は、玉堂の孫で、玉堂美術館館長である川合三男氏の監修のもと、限定480部のみ制作された稀少な逸品。作品には、川合家の検印と限定番号入りの証明書が付される(額装は額裏に、軸装は桐箱の蓋裏に貼付)。
【川合玉堂・かわいぎょくどう(1873年~1957年)】
1873年、愛知県に生まれる。わずか17歳にして、第三回内国勧業博覧会に出品した作品が入選を果たし、京都画壇に華々しいデビューを飾った。日本の風景を詩情豊かに描き続けた一方、文展審査員や東京美術学校(現・東京藝大)教授なども歴任。そして1940年、『彩雨』を皇紀二六〇〇年奉祝展に出品し、文化勲章を受章。1944年、疎開先の奥多摩の御岳(みたけ)に移り、みずから「偶庵(ぐあん)」と称した画室を終の住処とした。その豊かな自然は、玉堂の創作意欲をさらに高め、数々の名作を生み出していった。かつて日本に見られた風景を抒情的に描いた作品は、郷愁をさそい、今もなお、人々の心を捉えて離さない。万人が共感できる日本の自然と生活を描いたことで「国民的画家」とも称される。83歳で逝去。