小学館イマージュ
蘭溪道隆「風蘭」
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自らの心と求道の思いを、香り高い風蘭に喩えた墨蹟の逸品
【建長寺開山から750年。禅の心を写す名筆を初めて復刻】
40歳の若さながら、中国、宋の禅宗の厳格な修行を日本に根付かせようとの大志を抱いていた、大覚禅師(だいかくぜんじ/蘭溪道隆・らんけいどうりゅう)は、厳しい規則をもって禅の指導にあたっていた。沐浴、座禅、洗面の時間を厳しく定め、許可のない私語を禁じるなど、国宝として建長寺に残る「法語規則」を読むと、そのひたむきな思いが伝わってくる。
建長寺にはかつては49もの伽藍、塔頭が建ちならび、最盛期には1000人もの僧侶が集まったといわれる。新しい禅を伝えようとした熱意は、禅師に不思議な魅力を与えていたのだろうか。人の姿に身をやつして、彼の説教を聞きに来た江の島の弁財天をたちまちのうちに魅了したとの逸話が伝えられる。本作品「風蘭」は、この厳格な禅の心を伝える名僧の墨蹟。750年の歳月をこえて、初めて原寸大で復刻した。
【より味わいが深くなる。茶席における掛物の、第一といわれる墨蹟の名品】
わが国で墨蹟といえば、中国、日本の禅僧による筆跡のことを総称した名称。その中でも特に珍重されるのは、宋、元時代の禅僧、鎌倉、室町時代の禅僧による墨跡といわれ、広い意味においては江戸時代以降の名僧の筆によるものも墨蹟の名前で呼ばれる。
そもそも墨蹟が茶室の掛け物として置かれるようになったのは、室町時代の茶人で、茶の世界に禅味を加え、侘び茶の粗といわれる、村田珠光(むらたじゅこう/1423~1502)からのことといわれている。珠光は大徳寺の一休宗純のもとに参禅し、印可の証として宋の高僧、圜悟克勤(えんごこくごん)の墨蹟を与えられ、これを初めて茶席の掛け物とした。
茶の湯を大成した千利休が語った茶道の秘伝書とされる「南方録」(なんぽうろく)では、茶の湯の道具の中で、掛け物を最も重要なものとし、特に高徳の禅僧が書いた墨蹟を第一の位に置いた。
今日の茶席でも、唐絵、大和絵、画賛、古筆、懐紙、短冊、書状など、様々な掛け物が用いられるが、いずれも作者を尊び、床の間に迎えて敬い慕いながら、そのさまざまな美しさを愛で、楽しむものといえるであろう。掛軸「風蘭」は茶禅一味の境地を味わえる逸品だ。
【画賛の漢詩について】
深蔵岩谷裏初不要人
知苦是香難掩春風得
意吹
●釈文
深く岩谷裏に蔵(かく)れて
初めより人の知らんことを要せず
苦(ひとえ)に是れ、香、掩(おお)い難く、春風に意を得て吹く
●訳文
深山にひっそりと咲く蘭の花は人に知られる必要はないが、馥郁(ふくいく)たる香りは隠すことができず、春風に力を得てますます広がるものだ。
【原本に忠実に、原寸大で復刻】
この名品の復刻にあたっては、長い年月を経た墨蹟の古風な濃淡をそのまま生かすよう特別の和紙を厳選し、最新の技術を駆使した高精細FMスクリーン7色刷りを採用。色校正にあたっては、所蔵・監修の五島美術館が厳密な照合を行っている。また、本品には所蔵館の五島美術館の印章を押した証紙を貼付。これにより、同館の特別許可を受けて初めて厳密復刻された他にはない貴重な美術品であること証する。
茶会のみならず、四季折々の催事の席、また、ご家庭の床の間や居間、書斎などでも、飾って楽しめる価値の高い名品。