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長崎県 佐世保市「みかわち焼」

カテゴリ | メイドインニッポン紀行

2016/3/10

長崎県 佐世保市「みかわち焼」

「献上」の技を今に伝える知られざる磁器 みかわち焼

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    献上品として磨かれてきた技術

    豊臣秀吉が朝鮮出兵を命じた文禄・慶長の役の際、各地の大名は、すぐれた技術を持つ半島の陶工たちを競うように領地へ連れ帰った。
    これら職人の手によって発見されたのが、九州北西部にわずかに分布する白い陶石の鉱脈だ。中国や朝鮮半島の純白の磁器に勝るとも劣らない、国産磁器の誕生である。
    磁器といえば有田・伊万里(鍋島藩)、波佐見(大村藩)が有名だが、九州にはもうひとつ優れた磁器を輩出してきた藩がある。平戸藩だ。
    長崎県佐世保市三川内地区の「みかわち焼」の名が他産地ほど知られてこなかったのは、平戸藩の御用窯として献上品だけを焼いてきたためである。
    贈り先は徳川家をはじめとする有力大名や朝廷。つまり採算を度外視した美術工芸だ。よいものを作れば厚遇されたので、職人たちは試行の時間と持てる技術を惜しみなく仕事に注いだ。

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    三川内は山里。薪や石炭で窯を焚いた時代のレンガの煙突が、今もあちこちに残っている。

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    陶石。近くの針尾島で発見され、その後はより良質な天草陶石(熊本産)を使用し今日にいたる。

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    高麗媼の名で職人たちに慕われている三川内の陶祖のひとり、中里エイを祀る社。

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    貼りつけ技法の中でも精巧な菊花飾細工。オランダ王室献上品も手がけた平戸洸祥団右ヱ門窯の作。

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    貼りつけ技法の中でも精巧な菊花飾細工。オランダ王室献上品も手がけた平戸洸祥団右ヱ門窯の作。

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    17代・18代(太陽さん=39歳)で伝統技術を守る。一郎さんは佐世保市無形文化財保持者。
    中心に花細工を配した盃(写真上)。17代・中里一郎さん(75歳)が娘の結婚式の乾杯用に考案した。酒を注ぐとまた景色が変わる。

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    若いときは有田で水墨画の絵付け師として働いた今村隆光さん(67歳)。鯨、魚の絵も得意。
    置き上げ(写真下)は、生地の上に泥漿で絵を盛り上げる技術。高度な絵画技術が要求される。

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    平戸青海波文酒器/置き上げ技法の鶴豆皿

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