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「一生使える鞄作り」を掲げて 40年目のHERZ

カテゴリ | 逸品アカデミー~ブランド編~

2014/3/10

「一生使える鞄作り」を掲げて 40年目のHERZ

まず自分が使いたい鞄であるか? 生涯使い続けることのできる鞄か?
このふたつの自問を社是に掲げてきたヘルツが、40歳を迎えた。

ひとりで完成させる鞄は職人の作品そのもの

今年1月に東京・表参道に誕生したヘルツの新店舗は、鞄職人たちの仕事をライブで見ることができるスペースだ。
1枚ごと、部位ごとに性格が異なる革を、各パーツの機能性まで勘案しながら切る作業。コバと呼ばれる切断面をミンク油のしみた布で丹念にこすり、角に丸みと艶を出すコバ磨き。鞄用としては厚めの革を力強くミシンで縫い合わせていく作業……。
低い敷居を隔てたギャラリーのすぐ先で、鞄作りを一生の仕事に選んだ男たちが黙々と働く。
「鞄職人の一番の喜びは、自分の鞄が売れて行くときです。ヘルツが分担制をとらず、ひとりがひとつの鞄を最後まで作ることにこだわるのは、この喜びのため。また、鞄を買いに来てくれたお客さんにとって、製作作業が直接見えることは納得にもつながります」
こう語るのはヘルツ創業者の近藤晃理さん(68歳)だ。前職はグラフィックデザイナーで、鞄作りを始めるきっかけは同僚からもらった1枚の革だった。40年くらい前の日本では、男性用の鞄の種類が少なく、紙袋を鞄代わりにするビジネスマンも多かった。
「僕らデザインの現場も同じ。もらったその革で、大きな絵が入る手提げ鞄を作ってみたんですよ」
持って歩くと評判で、自分にも作ってほしいと依頼が相次いだ。はじめは趣味だったが、いつしか本業よりも夢中になっていた。
「プロ宣言するにあたってこだわったのは、丈夫さでした。無名の工房の鞄が簡単に壊れたら永遠に信用を得られませんからね。もし傷んでも修繕がきき、時代の変化の中でも古びることがないデザイン。そして自分が使いたい、持ちたいと思える機能の鞄です」
  • 「一生使える鞄作り」を掲げて 40年目のHERZ

    ヘルツ創業者 近藤晃理さん(68歳)
    「私自身に徒弟制の経験がないので、うちは下積み期間がありません。最初から作らせ、その怖さと楽しさを経験させます。責任の重さが腕を上げるんです」

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    30代で出版社から転職、近藤さんと苦楽を共にしてきた鞄職人の根津さん。「うちは畑違いの世界から来た職人が多い。この多様性はヘルツの強みです」。

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    パーツ取りは革の個性、縦と横、部位による強度や伸縮差を考えてカットする。

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    定番のギボシショルダー。右は15年使い続けたもの。

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    制作工程も見られるギャラリー。

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    道具類はひと昔前のものばかり。アナログのほうが意思を自在に伝えられるとか。

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