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渡辺力・リキクロック

カテゴリ | 名作デザインの裏側

2015/3/10

渡辺力・リキクロック

戦後の工業デザイン界を牽引した、渡辺力と柳宗理。彼らの事務所にかつて所属し、巨匠の薫陶を受けた2人のプロダクトデザイナーに、当時の開発秘話を聞いた。

どんなに太い文字や針を使っても 見た目が軽やかでないといけない

「時計のデザインは、渡辺先生にとってライフワークでした。’70年代に手がけた置き時計やポール時計に影響を受けた先生のファンが時計のデザイナーの中には少なくないんですよ」
そう語るのは、山本章氏(51)。大学卒業後、渡辺力のデザイン事務所に一時所属。2000年以降、渡辺力の元にふたたび時計のデザイン依頼が集中するようになってからは、裏方として恩師を支えた、フリーのデザイナーだ。
「先生の情熱は半端じゃなかったですね。腕時計のデザインをはじめたころ、すでに90歳をこえておられましたが、1000パターン近い文字板の見本を作り、デザインを検討されていました。当時の関係者の間では、先生の仕事ぶりが今も語り草になっています」
腕時計の仕事が成功したことで、次はタカタレムノスと掛け時計の開発を行なうことになった。
「腕時計はファッション性が強いので、先生もメーカーの提案を柔軟に受け止めてくれました。でも掛け時計は一種の〝家具〟なので、デザインには相当シビアでしたね」
リキクロックは、12の数字が文字板に大きく配置されているのが特徴だ。だが、数字の書体は1から9までボリュームが異なるため、文字サイズが大きくなるほど、配置やバランスが命となる。本人も「いい文字が見つかれば、時計の仕事の7割は終わる」というほど、書体にはこだわっていた。
「先生が強調していたのは軽やかさ。どんなに太い文字や針を使っても軽やかに見えないといけないと、よくおっしゃっていました」
101歳で逝去するまで生涯現役を貫いたデザイナー、渡辺力。軽やかな文字板の裏には、作り手の情熱が刻まれている。
  • 渡辺力・リキクロック

    セイコーから依頼された腕時計のデザインを、綿密に検討する渡辺力氏と山本章氏(2006年に撮影)。

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