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BAR CINEMA~この映画に乾杯!(第3回)『セント・オブ・ウーマン』 ――ファーストネームで呼ぶほど長い付き合いのウイスキー

カテゴリ | BAR CINEMA~この映画に乾杯!

第3回:セント・オブ・ウーマン
――ファーストネームで呼ぶほど長い付き合いのウイスキー

BAR CINEMAへようこそ。

このバーでは、皆さまの記憶に残る映画の名シーンを彩った素敵なお酒を、映画の時代背景、お酒の由緒・成り立ちと合わせてご紹介し、ご賞味いただきます。

テネシー州リンチバーグにあるジャック・ダニエル蒸留所で造られるプレミアムウイスキー。その作り方は創業から100年以上たった今も変わっていない。この映画の主人公の注文はウイスキーをなみなみと注いだ「ダブルのオン・ザ・ロック」。

He may be Jack to you, son.
But when you’ve known him as long as I have……

昼間から「ジャック・ダニエル」というウイスキーをオン・ザ・ロックであおる盲目の退役軍人フランク・スレード中佐(アル・パチーノ)と、全寮制の名門ハイスクールに通う奨学生チャーリー・シムズ(クリス・オドネル)の心の交流を描いた、まさに名言の宝庫!というべき映画です。言葉には人を深く傷つける力もあれば、勇気を与え正しい道へと導く力もある。アル・パチーノは圧倒的な存在感をこの映画で示し、念願だったアカデミー賞主演男優賞を獲得しました。

オレゴン州の片田舎からボストンの名門校へ進学した苦学生のチャーリー。感謝祭の休暇を利用して、クリスマスに故郷に帰るための旅費を稼ごうと、学校の掲示板で見つけたアルバイトが「家に残る家人の世話」というもの。フランクは姪の家族の世話になっているのだが、姪一家が旅行で留守にする間、彼の面倒を見るのが仕事だった。しかし、フランクは家族も手を焼く気むずかしい毒舌家。さらに困ったことに、姪の留守を狙って、ニューヨーク旅行を企てていた。チャーリーはそれを止めようとするのだが、強引に押し切られて旅に同行することに……。

飛行機はファーストクラス、泊まるのは最上級ホテルのウォルドルフ・アストリアと、贅沢の限りを尽くそうとするフランク。アストリアのスイートルームに入ると、フランクは部屋のミニバーにどんなウイスキーがあるのかチャーリーにたずねる。ジム・ビーム、アーリー・タイムス……と、並んでいるウイスキーの銘柄を答えるチャーリーに対し、フランクは「安物ばかりだな、(中略)ジョン・ダニエルをズラッと並べさせろ」と命令する。

「ジャック・ダニエルでは?」と聞き直すチャーリーに言い返したのが上の英語の言葉。字幕では「おれは付き合いが古いから、“ジョン”でいいのさ」と訳されていますが、ウイスキー愛飲家にはたまらない台詞だと思います。

ところで、ここで気になるのが「安物ばかりだな」という字幕の台詞。実は、英語では「cheap」など、「安い」を意味するような言葉は出てきません。では、ジャック・ダニエルはジム・ビームやアーリー・タイムスと何が違っているのでしょう?
ジャック・ダニエルはテネシー州で作られているバーボンウイスキーです。
バーボンは作り方に決まりがあって、原料はとうもろこしが51%以上80%以下。残りは大麦麦芽や小麦です。蒸留後は新しいオーク樽での熟成が義務付けられていて、これらのルールを守らなければバーボンとは名乗れません。作られているエリアはケンタッキー州、ペンシルバニア州、テネシー州です(ちなみに「バーボン」の名はケンタッキー州バーボン群という地名に由来しています)。

ジャック・ダニエルがほかのバーボンと違うのは、チャコール・メローイングという、サトウカエデの炭で濾過をして仕上げていること。通常、バーボンは蒸留後に濾過はしないのですが、ジャック・ダニエルはあえてこのひと手間をかけることで独自性を打ち出し、自ら「テネシー・ウイスキー」と称して、ほかのバーボンと一線を画しています。そして、お値段も一般的なバーボンよりも少々高くなっています。
その味わいはまさにライト&マイルド。しかし、口の中ですっと消えるのではなく、しっかりとした余韻を残して、飲みごたえは充分です。フランクように、オン・ザ・ロックやストレートで飲むのがおすすめですが、ソーダで割ったハイボールでもテネシー・ウイスキーの味わいは楽しめますので、ぜひ試してみてください。

さて、この映画の会話の中では、スクリュードライバーとシーブリーズというカクテルが出てきます。フランクがスクリュードライバーを、フランクの部下がシーブリーズを飲みながら、ふざけて手投げ弾でお手玉をしていたら、事故が起きてフランクは失明する……。
そんな重い話ですが、カクテルには罪はありません。スクリュードライバー、シーブリーズとも、本来は女性にも飲みやすいカクテルですし、レシピも簡単なので、ご自宅で作ってみてはいかがでしょう。
  • BAR CINEMA~この映画に乾杯!(第3回)『セント・オブ・ウーマン』 ――ファーストネームで呼ぶほど長い付き合いのウイスキー

    スクリュードライバーの作り方:氷が入ったグラスにウオッカ30 mlとオレンジジュースを適量入れ、軽くステアする(マドラーなどを使って混ぜ合わせる)。お酒の濃さは好みで。通常は背の高いグラスを使いますが、今回はフランクをイメージし、濃いめに作ってロックグラスで。

  • BAR CINEMA~この映画に乾杯!(第3回)『セント・オブ・ウーマン』 ――ファーストネームで呼ぶほど長い付き合いのウイスキー

    シーブリーズの作り方:氷を入れたグラスに、ウオッカ20~30 ml、グレープフルーツジュースとクランベリージュースを各30 mlを入れて軽く混ぜる。バーではシェークして作ることが多いですが、ご自宅ではステアで充分です。

  • 画像

    お酒と果汁を混ぜてカクテルを作る場合、比重の軽いお酒を先に入ると、混ざりやすくなります。また、お酒をグラスに注ぐ際は、氷になるべくダメージを与えないように、氷を避けて直接グラスの底を狙って注ぐと、見た目も味わいもいっそうよくなります。

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