岩手県 奥州市水沢区「鉄瓶 籐巻き/焼き焼きグリル」
カテゴリ | メイドインニッポン紀行
2016/8/10

奥州藤原氏ゆかりの鋳物 鉄瓶 藤巻き/焼き焼きグリル
古来伝わる製鉄技術の結晶
炉から出たばかりの銑鉄は、真昼の太陽のような輝きを発していた。見ているだけでも暑い。真夏は作業場全体が40℃近くに達し、塩と水分を大量に摂らないと体がもたないという。
ここは岩手県奥州市水沢区。奥州藤原氏の時代より鋳物産地として知られた里だ。炉から流れ出た銑鉄は、まず「とりべ」と呼ばれる鉄製の柄杓で汲みだされ、男たちが砂型の並ぶ場所まで小走りに運ぶ。入っているのは液体だが、それは溶けた鉄である。1杯20kg近くあり、重さは梃子の逆原理で男たちの腰へのしかかる。持ち上げるたびに「うりゃあっ」という気合いの声が工場中に響く。
炉から出たばかりの銑鉄は、真昼の太陽のような輝きを発していた。見ているだけでも暑い。真夏は作業場全体が40℃近くに達し、塩と水分を大量に摂らないと体がもたないという。
ここは岩手県奥州市水沢区。奥州藤原氏の時代より鋳物産地として知られた里だ。炉から流れ出た銑鉄は、まず「とりべ」と呼ばれる鉄製の柄杓で汲みだされ、男たちが砂型の並ぶ場所まで小走りに運ぶ。入っているのは液体だが、それは溶けた鉄である。1杯20kg近くあり、重さは梃子の逆原理で男たちの腰へのしかかる。持ち上げるたびに「うりゃあっ」という気合いの声が工場中に響く。
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どろどろに溶けた銑鉄。この運搬作業は大きな緊張を伴う重労働だ。
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けた銑鉄を砂型に流し込んでいく鋳込み作業。会社により設備はさまざまだが、タイミングを色で見るなど、勘所はほぼ同じ。
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鉄瓶 籐巻き
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焼き焼きグリル
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砂型を壊して取り出した本品。まだ表面に砂が付着している。
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余分なバリなどを取り去り、1枚ずつ磨いて角を丸める。このあと、表面に錆止めとしてカシュー塗料を焼き付ける。割れたものなどは回収され、再利用される。